JAMSTEC士業見学会を開催しました
2026年8月21日、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の横須賀本部にて、士業向け見学会を特別に開催していただきました。
川村プロジェクト長によるレアアースについてのご講義をはじめ、海洋科学技術館、海底広域研究船「かいめい」、潜水調査船・無人探査機の整備場まで、大変充実した内容をご用意いただきました。
今回は弊所の全若手職員だけでなく、日頃より交流のある渋谷士業勉強会(SISIB)の先生方にもお声がけし、行政書士、公認会計士、社会保険労務士、税理士、弁護士(五十音順)といった異なる士業の先生方と、総勢15名で参加させていただきました。
JAMSTECと弊所の関係について
JAMSTECは、有人潜水調査船「しんかい6500」などを用いた深海調査をはじめ、海洋や地球についての研究開発を行う国の研究機関です。
弊所もその活動を応援しており、これまでに賛助会セミナーの講師を務めたり、海洋地球研究船「みらい」の退役記念見学会に参加させていただいたり、研修旅行に参加させて頂いたりと、色々なご縁をいただいてきました。
そして、弊所では日々、輸出管理に関する該非判定の業務に携わっておりますが、海洋調査に用いられる機器を実際に目の前で見る機会は決して多くありません。そのため、職員の教育も兼ねて実機を見学させていただけないかとお願いしたことが、今回の見学会のきっかけでした。
調整にあたっては、ぜひ調査船も乗船見学したいという弊所の希望を受け、入港予定に合わせて何度も日程をご検討いただきました。また、講義についても、参加者が聞いてみたいことを事前にお伝えし、その関心に沿ってご準備いただきました。こちらの様々なお願いに丁寧にお付き合いいただき、心より感謝しております。
プロジェクト長によるレアアースのご講義
講義では川村プロジェクト長から、南鳥島周辺の海底に存在するレアアース泥と、その採鉱に向けた取組についてお話を伺いました。事前に他士業の先生方から集まった質問も、資源戦略、実用化に向けた課題、採算性、環境への影響など多岐にわたり、それぞれの専門分野による関心の違いも感じられました。
また、地球深部探査船「ちきゅう」でレアアース泥を引き上げる仕組みに、石油掘削などで用いられるライザーの技術が活かされていることも興味深く伺いました。深海から泥を採るという難しい目標に対して、既に蓄積されている技術をどう応用するか。装置そのものに加え、目的を実現するための考え方まで学べるお話でした。
レアアース泥の実物も拝見できました。
海洋科学技術館の見学
海洋科学技術館では、「しんかい6500」の実物大模型や深海生物に関する展示などを見学させて頂きました。潜水船の中に人が入り、深海で調査する様子を具体的にイメージできる展示は、機器の仕様を読むときとはまた違った面白さがあります。また、海洋科学技術館においてもプロジェクト長によるご説明を頂けて、非常に贅沢な時間を過ごすことができました。

こちらは深海魚のヨコヅナイワシ。他士業の先生が「何人前になるんだろう」とおしゃっていましたが、JAMSTECの方曰く、深海生物はアンモニア臭がきついので食用には向かないそうです。
普段の仕事では、どうしても装置の構造や性能に目が向きがちですが、深海にはどのような生物がいて、何を調べるためにその装置が必要なのかという研究の側から見ると、同じ機器への理解も広がるように思いました。
ちなみに、弊所職員で獣医の吉田先生が、深海でUMAを見たことがないかJAMSTECの方に質問されていておもしろかったです。(見たことないそうです)
海底広域研究船「かいめい」乗船見学
続いて、海底広域研究船「かいめい」に乗船し見学させていただきました。
椅子と机の脚がキャスターではなかったり、船内に研究室やドラフトチャンバーがあったり、研究室ごとに照明等が異なっていたりと、研究船ならではの特徴に色々と驚かされました。
なかでも弊所の職員が特に興味を示したのが、曳航ハイドロホンアレーです。水中の音を捉えるハイドロホンを並べ、船で曳きながら調査に使う機器です。
弊所では輸出管理の仕事を通じてなじみのある名前ですが、実物を間近で見られることは滅多にないため、弊所職員だけが盛り上がりました。

海洋調査などで地殻構造を探査するために使われるエアガン(空気銃)。
高圧の空気を一瞬で水中に放出して強力な音波を発生させます。

海水の水温・塩分・深さ(圧力)などを測定するセンサーと採水器が一体となった海洋観測機器「CTD採水システム」です。円形のフレーム(ロゼット・サンプラー)の周囲にニスキンボトルと呼ばれる円筒状の採水器が多数並べられており、海中深く降下させて各深度のデータを連続測定しつつ、任意の深さで海水を採取できます。
写真や仕様書で知っているつもりでも、実物を前にすると大きさの感覚が変わります。海底を調べるために、これだけの設備が船に載っているのだと実感しました。
潜水調査船整備場と無人探査機整備場へ
潜水調査船・無人探査機の整備場では、探査機や搭載機器を間近で拝見しました。こちらは実際の調査線とROVを整備中のため、ほとんどの場所が撮影禁止でしたので、表札しかお見せできません。

弊所として大変拝見したかったのが、マニピュレータ、つまり水中で作業を行うためのロボットアームです。「潜水艇の遠隔操作マニピュレータ」であって、動作自由度(関節数)が5以上のものは、外為法による輸出規制対象となるため、どこが関節で、どの方向に動くのかを、実物を前に勉強させて頂きました。一緒に参加された先生方からは「大沢先生、ずっと関節なんか数えている」という声も聞こえてきましたが、職業病です。
しんかい6500は、撮影可能でした。 しんかい6500を前にして、関節の数ばかり数えているのは少数派かもしれません。
右の写真は私(大沢)がロボットアームの関節について他士業の先生方に説明しているところです。

見学を終えて
今回のJAMSTEC士業見学会にご参加頂いた先生方には非常に喜んで頂けました。弊所職員にとっての学びの機会が、ご一緒した先生方に海洋研究の魅力を知っていただくきっかけにもつながったことを、大変嬉しく思っております。
川村プロジェクト長やカウンターパートの永橋様をはじめ、ご案内・ご説明くださった職員の皆様には、改めて心より御礼申し上げます。今回得た実機への理解を日々の業務と所内教育に活かしながら、今後もJAMSTECの研究活動を応援してまいります。

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