砂でコーヒーを沸かす機械を輸入してみた☕ ~③ 自主検査~
お世話になっております。行政書士法人メイガス国際法務事務所の大沢です。
本記事は過去のコラム記事、「①PSEの該当性確認」、「②PSEの基準適合確認」の続きとして、「③PSEの自主検査」の手順を職員向けの所内教育として説明し、リクルートコラムにて紹介するものです。

前回のコラム(②PSEの基準適合確認)では、電気用品安全法8条1項で、「電気用品を輸入する場合は、経済産業省令で定める技術基準に適合する必要がある」と書かれているため、輸入するトルココーヒー用サンドヒーターが、技術基準に適合しているかを検査/試験しました。
今回の自主検査は、前回とは異なり電気用品安全法8条2項に基づく検査となります。

雑にまとめると、8条1項検査(基準適合確認)は、電気用品が技術基準に適合しているかを確認するもので、一度きりの破壊検査です。しかし、8条2項検査(自主検査)は製造/輸入する全品に対して行う、非破壊の全数検査です。
そして、8条1項検査の詳細も8条2項検査の詳細も、「経済産業省令で定める」とされていますが、8条1項検査の詳細を定める経済産業省令は前回のコラム②でご紹介した通り、「電気用品の技術上の基準を定める省令」です。
それに対して、8条2項検査の詳細を定める経済産業省令は、「電気用品安全法施行規則」です。8条1項と2項で別の省令を見なければならず、しかも2項の方は題名に省令とすら書かれていない(施行規則)。これは法令を普段読み慣れていない人には少しややこしいポイントかも知れません。

電気用品安全法施行規則第11条2項には、検査記録簿の法定記載事項が定められています。また、同3項には検査記録簿の保管期間が定められています。検査の詳細は別表第三に飛ばされています。


今回のトルココーヒー用サンドヒーターは、◯PSE製品の電熱器具であるという想定で実習しておりますので、別表第三の「2 令別表第2に掲げる電気用品について行う検査」に従い、外観、絶縁耐力、通電について"一品ごとに"(つまり全数)検査する、ということになります。
外観、通電は名前からどんな試験かなんとなくわかる気がしますが、絶縁耐力試験は初めて聞く方にとっては想像しにくいと思います。絶縁耐力試験は、落雷が電線や通信線を伝わって家の中に流れ込み、一瞬だけ極めて高い電圧がコンセントを通じて電気製品に流れ込んでも、電気製品の絶縁体が破壊されないか、確認するための試験です。そのため、絶縁耐力試験では機器に数千ボルトの高電圧を数秒間~1分間程度流して、漏電しないか等をチェックします。
何ボルトを何秒流すのかは、技術基準で定められており、試験対象となる電気用品の仕様により異なります。

絶縁耐力試験機という専用の設備で、1,500Vほどの電圧をかけて、漏電量を調べています。
弊所では全数検査を数千台同時に受任することがあるので、絶縁耐力試験機を5台保有して、同時に試験を行えるようにしています。ちなみに絶縁耐力試験機は通販サイトでも購入できます。


通電検査はクランプで、外観検査は目視で行っています。
以上の全数検査が終われば、法定記載事項を満たした全数検査記録簿を作成して、数日間に及んだ実習が終了となりました。
実務ではテストレポートや全数検査記録簿のリーガルチェックを毎日のように行っていますが、実際に自ら試験して、一からテストレポートや全数検査記録簿を作成することで、日々のリーガルチェックもより安心して行えるようになるものと思います。
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