動物用CBDをめぐる法改正についてインタビューしてきました💊
行政書士法人メイガス国際法務事務所の吉田です。
私は行政書士としてメイガス国際法務事務所に所属しておりますが、一方では獣医師としても動物医療に関わっています。
今回は、日本アニマルCBD協会学術顧問であり、動物行動学を専門とされる獣医師の茂木千恵 博士 (東京大学農学生命科学研究科)に、動物用CBDをめぐる現状についてお話を伺いました。
茂木先生は大学でも教鞭を執られており、長年にわたり動物の行動学やCBDの活用について研究・普及活動を続けておられます。
CBDとは?
CBD(カンナビジオール)は、大麻草に含まれる成分群である「カンナビノイド」の一種です。
代表的なカンナビノイドとして、CBD(カンナビジオール)とTHC(テトラヒドロカンナビノール)が知られています。
このうちTHCには陶酔作用があるため、日本では法律による厳しい規制が設けられています。一方でCBDには陶酔作用がなく、鎮痛作用、抗炎症作用、抗不安作用などの薬理学的な可能性が報告されており、人医療のみならず獣医療分野においても活用が進められてきました。
獣医療現場への影響
私自身も茂木先生からCBDを紹介して頂き、難治性の犬アトピー性皮膚炎の治療などに使用しています。
従来の治療だけでは十分な改善が得られない症例では、CBDは臨床現場における選択肢の一つとして注目していました。
左:治療前 右:治療後
しかし、2024年12月の法改正に伴い、CBD製品に対する基準が大きく変更されました。
その結果、それまで流通していた製品の一部が使用できなくなり、CBDによる管理が安定していた症例では継続使用が困難となるなど、獣医療の現場にも混乱が生じました。
私自身、CBDを使用していた立場でしたので、法改正当時は正直困りました。
法改正の概要
2024年12月12日、「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」の一部が施行されました。また、改正により、大麻の所持・譲渡し等は「麻薬及び向精神薬取締法」(麻向法)による規制に整理され、従来の「大麻取締法」は「大麻草の栽培の規制に関する法律」へと改称されました。
これらの改正について茂木先生からは、従来の大麻草の部位を中心とした規制が、法改正により製品中に残留する成分の限度値による規制へと変更されたとご説明を頂きました。
改正前の大麻取締法第1条は、大麻草とその製品を「大麻」としつつ、成熟した茎及びその製品(樹脂を除きます。)並びに種子及びその製品を、その定義から除外していました。このため、CBD製品の取扱いでは、CBDという成分そのものだけでなく、大麻草のどの部位から製造されたのかが重要な確認事項となっていました。
それに対して改正後は、大麻草としての形状を有しない製品について、原料に用いた部位にかかわらず、Δ9-THCなどの規制成分を含有するかどうかを確認する仕組みとなりました。Δ9-THCは麻向法別表第一第42号に掲げられていますが、同表第78号ロにより、政令で定める残留限度値以下であり、他の麻薬や大麻を含まないなどの条件を満たす製品は、麻薬から除外されます。
この変更によって、従来は由来部位が問題となった花穂や葉から製造されたCBD製品についても、上記の条件を満たせば、麻薬に該当しない製品として取り扱う余地が生じました。
もっとも、その基準値は極めて厳しいものであったため、CBDの分離・精製方法そのものを見直す必要があったそうです。その結果、現在では新たな基準に適合した製品が供給されるようになり、利用できる環境が整ったとのことでした。

最後に
今回、CBDそのものの有用性だけではなく、制度改正が獣医療現場へ与えた影響についてもお話を伺うことができました。
私自身、法改正によって実際に困った経験があったため、その裏側で新しい基準に対応するための様々な取組が行われていたことを知る、大変貴重な機会となりました。
獣医療の現場では治療の継続が重要です。一方で、安全性を確保するための法制度も重要です。
今回のお話を伺い、新たな基準に対応するために多くの方々がご尽力されていたことを初めて知りました。
貴重なお話を聞かせていただいた茂木千恵先生に心より御礼申し上げます

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