技術系行政書士勉強会を開催しました(量子分野の許認可)
更新日:16 時間前
お世話になっております。行政書士法人メイガス国際法務事務所の大沢です。
2026年9月16日、弊所東京本部にて第1回 技術系行政書士勉強会を開催いたしました。
お陰様で15名の方にご参加頂き、行政書士以外にも、公認会計士、税理士、弁護士、弁理士(五十音順)といった他士業の先生方にもお越し頂けました。

第1回のテーマは「量子分野の許認可」
「行政書士の勉強会なのに、なぜ量子?」と思われるかもしれません。
しかし、弊所では量子技術の国際共同研究に伴う外為法対応、量子暗号装置(QKD装置等)の電気通信事業法対応、量子コンピュータやQPUのEAR対応、量子センサーの該非判定など、実際に量子分野に関係する法務・許認可業務を取り扱っており、今後の量子技術の発達と普及が行政書士業務の幅を広げると考えております。
今回の勉強会の流れとしては、①まず量子論の概要をご案内し、②次に応用分野を紹介し、③最後に関係する法規制と許認可をご説明するという形になりました。
①では、量子分野の初学者の方が多かったため、量子の重ね合わせ、スピン、量子もつれ、トンネル効果、量子ゆらぎ、さらには二重スリット実験やシュレーディンガーの猫、ラプラスの悪魔の話まで、一から丁寧にご説明をしました。行政書士の勉強会としては、なかなか珍しい光景だったのではないでしょうか。
②では、量子技術の代表的な応用分野である、量子コンピュータ、量子暗号、量子センサーについて取り上げました。
例えば量子コンピュータについては、単に「ものすごく速いコンピュータ」と紹介するのではなく、量子ゲート方式と量子アニーリング方式の違いや、組合せ最適化問題をどのように解いているのかについて説明しました。
また、量子暗号についてはBB84を取り上げ、光子の偏光方向と基底を使って、なぜ盗聴を検知できるのかをご説明したり、量子センサーについてはダイヤモンドNVセンターの原理等をご説明しました。
③では、今回ご紹介した事例の一つに、量子コンピュータを利用した化粧品開発があります。膨大な組合せの中から、人間の研究者では通常選択しないような成分の組合せを量子コンピュータが導き出し、それが実際の商品開発につながる。技術として大変興味深い事例ですが、行政書士の視点から見ると、さらに別の景色が見えてきます。
これまで使用していなかった原料を使うのであれば、薬機法や化学物質関係法令の確認が必要になるかもしれません。
また、IT系企業が量子コンピュータを利用してブレンドコーヒーの最適な組み合わせを探索し、新規にカフェを出店した事例などをご紹介し、これまでその業界とは無縁だった企業が、量子技術を用いて新しく化粧品、食品、物流その他の分野へ参入するケースがあることもご説明しました。
新しい事業を始めるところには、多くの場合、許認可があります。つまり、新しい技術が生まれることは、新しい許認可業務が生まれることでもあるということです。これは今回の勉強会で最もお伝えしたかったことの一つでした。
勉強会終了後は近くの海鮮中華料理屋にて懇親会を開催しました。雨が降っていたため社用車3台に分乗していただいての送迎となりましたが、参加された先生方のお人柄のおかげで、車中でもお話が弾みました。
専門分野や事務所の垣根を越えて、参加された先生方とさまざまなお話をすることができ、弊所職員にとっても大変有意義な時間となりました。
次回の技術系行政書士勉強会は、弊所の谷垣(海事代理士・潜水士)が講師を務め「水中ドローンの許認可」をテーマに2026年11月18日に開催致します。
ROVやAUVといった水中ドローンの仕組みから、その開発・製造・輸出入・使用に関係する許認可までを取り上げます。
次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。
勉強会申し込みページ www.magus-legal.com/open-lecture
職員の感想
「量子力学と聞くと何となく難しくとっつきにくいイメージがあったのですが、先生が最初に『もしも量子力学を理解できたと思ったなら、それは量子力学を理解できていない証拠だ』という言葉を紹介していただいたことで、量子力学へのハードルが一気に下がりました。(ちょっと哲学的だな、、とも感じました。)」
「量子を使用したものに何があるかと聞かれるとあまりイメージがわかなかったのですが、以前の職場(病院)では使用する機会の多かったMRIなど案外身近なものに活用されていたことを知ったり、量子コンピュータを用いた実際の商品(コスデコのクレンジング)などを知れたことで、量子技術が社会で実際にどのように活用されているのかイメージできました。」
「アニーリング型が組み合わせ最適化に有効な理由が、トンネル効果と量子ゆらぎの性質を利用している点(量子ゆらぎの位置やエネルギーが常に変化し続けているという性質を利用して、複数の状態から同時に計算を行い最適解のみ観測する点)を理解できてよかったです。」
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