所内教育紹介(量子)
- 広報担当
- 7月10日
- 読了時間: 4分
更新日:7月11日
弊所は行政書士法人としては珍しく、量子分野の所内教育が行われています。
弊所のクライアント・顧問先企業様の中には、量子関係の企業・団体の方がいらっしゃいます。例えば、量子コンピューターや量子センサーのメーカー・商社、量子暗号の研究所などです。
特に、弊所は量子分野の産学官連携団体である量子フォーラム 量子鍵配送委員会との顧問契約を締結しています。詳しくは別コラム「量子フォーラムとの顧問契約を締結しました」をご覧ください。
では、なぜ弊所に量子分野の企業・団体からのご相談があるかというと、量子コンピューターや量子暗号などの分野は外為法による輸出規制が厳しいにもかかわらず、外為法は複雑で自社での対応が簡単ではなく、また、外部に相談しようと思っても外為法(特に貿易管理分野)に対応している士業は少なく、特に量子分野の輸出規制にも対応できるとなると、国内では相談先が大変限定しまうからです。また、外為法以外の許認可についても、そもそも量子が新しい分野であるため、どのような許認可が必要となるのかの整理が自社では難しいということもあります。そのため、弊所は量子デバイスの許認可対応に関する様々なご相談を頂いております。
量子分野の許認可に対応するには、量子分野の知識が必要となります。例えば、「量子アニーリングの前処理として古典アルゴリズムで解空間を絞りこむアルゴリズムを実装したアプリは、外為法のリスト規制の対象ですか?」という質問に対して「それは非該当ですよ」と即答するためには、法令の知識よりむしろ量子の知識が重要になります。
しかし、皆様御存知の通り、量子科学は非常に理解が難しく、勉強に苦労する学問分野です。そのため、弊所では量子の所内教育を実施しています。

①所内での座学
弊所では、量子関係の技術系教育と法律系教育を職員向けに実施しています。
技術系教育科目の一例:『量子科学』『量子センサ』『量子コンピュータ』『量子暗号』等
法律系教育科目の一例:『外為法(量子関係)』等
外為法及び輸出令・外為令・貨物等省令では、量子チップ(QPU)、量子暗号通信技術やQKD装置、クライオスタットなど、様々な量子デバイスや量子技術について、輸出規制の対象であるか検討する必要があります。これらを体系的に理解するために、座学教育が必要となっています。
また、量子技術自体ではありませんが、耐量子暗号についても勉強します(耐量子暗号を研究している企業様がクライアントにいらっしゃるため)。

NICTの量子暗号研究の第一人者である佐々木先生の著書(佐々木先生から頂きました)
② 見学・実習
座学で暗号の基礎的な知識を得たら、次は見学・実習を通して、実際のところを学んでいきます。
今年は、NICT(国立研究開発法人 情報通信研究機構)や一般社団法人量子フォーラム 量子鍵配送技術推進委員会(量子暗号に関する産学官連携団体)、Q-STAR(量子技術による新産業創出協議会)等が実施する研修等に参加し、研究者・実務者の方から直接お話をお伺いしています。
例えばQ-STARが広島の中国経済産業局で開催したセミナーでは、量子コンピューティングの得意域である「組合せ最適化問題」をテーマにバイブコーディングの実演を見学したり、量子アルゴリズムで生み出された化粧水を拝見したりと、産業界での最先端の量子コンピューティング事情をお伺いすることができました。
所内教育受講者の感想
職員A:シュレーディンガーの猫とか、量子もつれとか、トンネル効果とか、聞いたことくらいはあっても理解できない分野ばかりで教育についていけるか不安でしたが、量子とは何かという基礎的な理論から、BB-84とCV-QKDの違いやQUBO定式化などの実装段階の知識まで、広く浅く説明してもらえたので、とても有意義でした。
職員B:量子暗号や耐量子暗号など、暗号と量子は切っても切れない関係にあることがわかりました。こういう最先端の技術に法務面から携われるのは大変貴重な機会ですし、やりがいがある仕事だなと思いました。
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