弊所ではクライアント様や、外部協力者の方、事務所役員などを自動車で送迎することがあります。今回は運転業務について詳しく見ていきます。役員運転手のように専属の人がいるわけではなく、運転が得意で、車が好きな人が担当します。
今回は弊所で最も運転業務を担当している谷垣に、メイガスの運転業務について聞いてみました。
どういう人を、どこに送迎するの?
送迎対象者は、クライアント様や外部の協力者等のお客様、弊所の代表などが挙げられます。
まず、クライアント様と一緒に行政機関や大使館等へ打合せに行く際など、同行する必要がある場合に送迎を行うことがあります。例えば、クライアント様と一緒に霞が関に行く際は、弊所東京本部で打ち合わせをした後、弊所にて乗車してもらうこともあります。
また、外部の協力者を接遇業務の一環として送迎することも多いです。例えば、会食が行われる料亭やホテルまでの送り迎えや、或いは遠方からお越しの場合は新幹線の駅や空港までお迎えに上がります。
ただ、やはり一番機会が多いのは弊所の代表を送迎することかと思います。例えば、出張時に空港まで、顧問先企業様の地方工場まで、式典が行われる迎賓館まで、といった場面が多いです。元々は代表のみを会食会場に迎えに行く予定だったものが、急遽、外部のお客様も同乗されるということもあるので、気が抜けません。
車の上座、下座はどう決まりますか?
弊所では、お客様を送迎する際は、運転席の後ろを上座としています。マナー云々、というのもありますが、昔、交通課の警察官から運転席の後ろの座席が一番安全であるという話を聞いたことがあります。シートベルトの着用状況等で統計に影響する可能性は考えられますが、万が一事故が起きる際、運転手は本能で回避しようとするため、その運転席の更に後ろの席が安全なのだと言っていました。なので、お客様にはできるだけ安全な席に座っていただきたいです。
一方、弊所の代表は基本的には助手席の後ろに座ります。乗り降りのしやすさ、座席の広さ等の観点から、助手席の後ろを好まれているのだと思います。車寄せなどでは基本的に左側(助手席側)から乗り降りしますし、助手席を前に移動させればその分後部座席の足元のスペースを広く取ることができますからね。
運転操作で気を付けていることは?
弊所でお客様を送迎する際は、ただ移動するのみならず車内において行われるお客様と弊所側職員(主に代表)とのコミュニケーションも重要であると考えています。なので、当たり前のことではありますが、お客様にリラックスして会話に集中してもらえるような空間にすることを意識しています。
急加速・急減速・急ハンドルを行わないことはもちろんですが、停車時に衝撃を与えないように、車が完全に停車する前に一度ブレーキを緩めてから踏みなおすといった工夫をしています。その他、前方の信号が赤であれば普段の感覚よりも早めにブレーキを踏み始めるなど、できるだけGをかけない運転を心がけています。
乗り心地以外の点としては、障害物センサーの警報音を予めOFFにすることなどが挙げられます。例えば、道幅が狭いところだと、右折待ちをしている際に中央分離帯の柵にセンサーが反応してしまう場合があります。いきなり警報音が鳴るとお客様も気が散ってしまいますので、そのようなことは避けなければなりません。
事前準備は必要ですか?
事前準備というほどではありませんが、どのルートを使うか、事故渋滞などの緊急時の代替ルートはどうするかといったことを予め考えた上で、出発時間などを検討しなければなりません。また、空港へ送迎する際は事前に便名を聞いておき、到着時刻のデッドラインや向かうべきターミナルを把握しておきます。
その他、場所によっては車寄せの位置が分かり難かったり、入場要領が異なったりするので、予め送迎先の乗降場所・待機場所に関する情報も確認するようにしています。
代表が会食に出ている間は何をしているのですか?
同席するように言われることも多いですが、同席がふさわしくない場合は、近くで待機します。会場に待機場所が用意されていればそこで待っています。「2時間後に迎えに来てくれ」と言われていても、急遽予定が変わることもありますので、連絡から3分以内程度で到着できる範囲からは出ないようにしています。
車に乗せている装備は?
急な雨に備えて、全てのドアポケットに折りたたみ傘を準備しています。また、車内ではくつろげるようにふかふかのスリッパも用意しています。あと、酔い止め薬や服用時のお水も用意していますね。備えあれば憂いなしです。できるだけ様々な状況を想定して備えるようにしています。
あとは、役員車には、車内空調の風に乗せて、香水をふんわり噴霧するアトマイザーが装備されているので、乗る方の好みの香水の補充を忘れないようにしています。例えば、代表はIMAGINATIONという香水を好んでいるので、それを補充します。逆に、相談役は匂いにこだわりがないので、なんでも「良い香りがする」と喜んでくれますね(笑)
遠距離も行くの?
主に弊所代表の送迎時に限られますが、遠距離を送迎することもあります。一番多いのは東京大阪間、次いで東京名古屋間かと思います。他には、東京から、仙台や新潟、福井などに送迎したこともあります。
嫌だった送迎は?
特に無いです。ただ、強いて言うならば、適宜休憩を挟みながらとはいえ、一度に1,280km運転した時は疲れましたね・・・。ちなみに、東京駅から青森駅まで運転しても700kmちょっとしかありません。東京駅から鹿児島県の出水市まで行ってやっと1,300km弱になります。
(当時、トリップメータの写真を撮っていたそうなので見せてもらいました。)
一番珍しい送迎場所・コースは?
但馬空港に送迎したことがありますね。但馬空港をご存じない方も多いかと思いますが、兵庫県北部にある空港で、1日2便しか飛んでいません。
兵庫県北部で弊所代表に会食の予定があったので、代表は羽田空港から伊丹空港を経由して但馬空港へ向かい、私は関西本部の車両を但馬空港まで回してお迎えしました。
季節は冬で、滑走路にも雪が積もっており、飛行機の着陸時に舞い上がる雪が綺麗でした。
白手袋はするの?
弊所では白手袋は任意です。よくドライバーの方が白手袋をしていますが、その理由は手が滑るのを防ぐためや、手が汚れるのを防ぐため、日焼け防止など、様々だと思います。
ただ、私は「なんとなく白手袋は付けている方が格好いい」という理由で用意はしています(実際着用することはあまりありませんが)。
洗車や車内清掃で気をつけていることは?
議員会館など、よく手入れされている車が多く止まっている場所では一台だけ光沢が弱いと恥ずかしいので、よくツヤの出るワックスを選んで手入れしています。
車内清掃では、特に窓ガラスの内側に付いてしまっている指紋など、細かなところを気にして清掃しています。
ゴルフ場とかに送迎することが多そうなイメージでした。
他社さんだとそうかも知れません。弊所では、代表がゴルフをやらないので、ゴルフ場に行ったことは無いですね。会社のカラーや代表の好み・お付き合いによると思います。
弊所ではよくあるけど他社さんだと珍しい送迎先というと、港や海ですかね・・・?
代表はお疲れの際、港や海に少し寄り道して、ゆっくりお茶を飲んだりして気力を養うことが多いので、リクエストに応じて近くの漁港や軍港、工業港に行きます。港と言ってもマリーナのような優雅な港や、観光地のハーバーではなく、静かな地方港湾が好みのようです。
お客様や代表とは車内でどんな会話をするの?
接遇の一環で、代表とお客様が楽しくお話しされているのであれば、基本的に運転手から話しかけることは控えます。
また、代表のみを送迎している際にあっては、これから仕事に向かうという状況であればやはり仕事の話が多くなります。逆に、その日の仕事が終わってOFFの状況であれば、夕食は何を食べに行こう等の、全く仕事に関係ない話もよくします。
他の企業の役員運転手との違いは?
他との違いは、秘書業務のコラムでもありましたけど、私も運転手として採用されているわけではなく、運転業務も担当しています。弊所には送迎業務専任の職員はいません。それぞれ通常の業務を行いながら、送迎業務を兼務します。接遇・送迎を行うお相手との面識の有無等によって適任者が指名されます。なので、私も運転以外のメイガスの仕事も普通にやっています。PSEの検査をしたり、戦略物資の輸出許可申請をしたり、毎日文書を起案しています。私は車の運転が好きなので、運転業務の間は少しだけ頭を休められています。
もちろん、運転業務は気をつけることがいっぱいありますから気は抜けませんが、メイン業務と違って、考えがどうにも煮詰まってしまったり、難しすぎる案件を理解できなかったらどうしようとか、そういう方向性でのプレッシャーはないので、やはり貿易法務や技術法務のメイン業務よりは、私にとってはかなり気持ちが楽ですね。
代表が自分で車を運転することはあるの?
実際運転は任せて欲しいと思ってる?
私が運転業務を担当可能な日は、代表が運転することはほとんどありません。他にも運転できる職員がいるのに自分が運転するというのは、年に1回あるかないかでしょうか。余程気が向いた時ぐらいしか運転されないと思います。新しい業務車が納車されたときとか。
車での移動中ぐらいはゆっくりして欲しいので、運転は任せてほしいですね。
※代表からのコメント
いつも安全運転ありがとう!
私から右折禁止の道を「ここ右に曲がったら近いんじゃない?」とか、引っ掛けみたいな危ない口出しをされても、冷静に運転してくれて安心しています!
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