学校見学(陸上自衛隊 通信学校)
- 大沢
- 11月16日
- 読了時間: 4分
行政書士法人メイガス国際法務事務所の大沢です。
弊所のクライアント・顧問先企業様の中には、携帯電話キャリア、衛星通信事業者、無線機・携帯電話メーカーなど、通信関係の企業・研究機関の方がいらっしゃるため、通信関係の所内教育に力を入れております(詳しくは通信に関する所内教育のコラムをご覧ください)。
今回はその一環で、横須賀市の久里浜駐屯地に所在する陸上自衛隊のシステム通信・サイバー学校(旧称・通信学校)を見学させて頂きました。
※ 写真撮影および掲載の許可は頂いております。
陸上自衛隊 システム通信・サイバー学校の校舎
今回の見学では4名もの隊員の方々にご案内頂き、学校の歴史をお教え頂いた上で、校舎内外をご案内頂き、通信教導隊の任務や、陸上自衛隊の無線機の性能や運用等についてご説明を頂きました。
久里浜駐屯地の特徴
陸上自衛隊システム通信・サイバー学校が所在する久里浜駐屯地は、昭和14年の海軍通信学校設立時に開庁された、最も古い自衛隊の駐屯地です。また、開庁当初から海軍通信学校が所在したり、現在はシステム通信・サイバー学校以外に、中央野外通信群、通信教導隊が駐屯していたりなど、通信に特化した駐屯地としての特徴もあります。
敷地内にある本館も設立当初からある建物ばかりで、特に皇族の方々をお迎えする部屋として建造された貴賓室は、天井に菊花紋章があったり、壁には御真影を奉置するスペースや、ふかふかな織物が貼られてあったりと、歴史と伝統の重みを感じました。
左:ご案内頂いた会議室 右:皇族が侍従を呼び出すためのスイッチを押してみる弊所代表
貴賓室にはペリー来航の際の実写真が展示してあり、保存状態の良い150年以上前の歴史的な写真として、こちらも印象に残っています。

他にも最古の駐屯地ならではの歴史を感じさせる海軍時代の遺構や記念碑などをご案内頂きながら、駐屯地の歴史について説明を受けました。
左:海軍通信学校跡の記念碑
中:予科練の記念碑
右:三笠宮殿下による御手植の松
今回の訪問では主に、旧軍時代から自衛隊に至るまでの無線機の変遷・歴史について勉強できました。
今回は無線通信に関する教育研修の一環として見学にお伺いしましたので、訪問前に、通信に馴染みがない職員に対して、そもそも無線はなぜつながるのか、アナログとデジタルの変調方式、交換機の今昔、通信装置の輸出規制など、様々な事前教育が行われておりました。
そのため、訪問した職員たちは、実際に変調器や大型の交換機などを見て、「これが座学で教わった実物か」と理解を深めることができました。
左:85式野外無線機システムの車両無線機。自衛隊の装備品で、音声以外にデータ・画像も伝送可。
中:85式野外無線機システムの携帯無線機。小隊長が背中に背負って使ったりする。
右:遠隔制御器JC-433/GRC。無線機を山頂に、本機を離れた指揮所におき、遠隔で無線機をコントロールすることにより、電波発信源の無線機位置がバレたとしても、指揮所位置はバレずに済む。
古い無線機用のバッテリー。水銀電池に空気湿電池など、今となっては珍しいものもいっぱい。
左が米軍の無線機で、中と右はソ連軍の無線機。それぞれ英語やロシア語が書いてます。

左:お昼は食堂で喫食もさせて頂けました。
右:お土産たち。戦闘防水処置袋L型とは、大サイズのジップロックのことです。
職員の感想
「帯域阻止フィルターや帯域通過フィルターは仕様によっては輸出規制の対象になるため所内教育でも座学で教わったのですが、文系出身で実物をみたことがなかったため、シングルサイドバンド用のバンドパスフィルターなど、様々な通信機材の部品を見学できて良かったです。」
「最古の駐屯地として、建物が戦前からの歴史を感じる構造だったり、山に退避壕が掘ってあったりと、貴重な施設を拝見できましたと思いました。」
「営庭では初級陸曹特技教育が行われていましたが、威勢のいい号令とキビキビとした動きに、自衛隊の力強さを感じました。」






































