タイトルのとおりですが、弊所の顧問先企業様・クライアント様には複数の無人航空機メーカーがいらっしゃるため、無人航空機の労働安全に関するワークショップ型の研修に参加してきました。
乱暴にまとめると、ドローンのオペレーターや周囲の人が、飛行中のドローンの羽根に衝突して危険な目にあわないように、リスクアセスメント等を行う研修です。主催は長岡技術科学大学システム安全系の木村研究室です。
木村研究室による市販ドローンを用いたプロペラの衝突実験
左:プロペラで手首が切断された衝突実験用インパクタ(人体ダミー)
右:破損した実物のプロペラや保護具
※ 本研修は撮影・録音禁止でしたが、別の機会に木村教授より許可を得て撮影させて頂きました。
木村教授は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(Realization of Advanced Air Mobility Project:ReAMoプロジェクト)」の委託を受け、無人航空機の「機体/運航/整備等のガイドラインの整備」事業を行っていらっしゃいます。
以前、弊所代表と私が木村教授にご挨拶させて頂いたことをきっかけに、今回の研修に参加させて頂くこととなりました。
今回の研修は丸一日かけて行われ、労働安全衛生法の求める労働安全をドローン運航業務で実施・指導する上で必要な基礎的知識を理解する事を目的とする内容でした。
具体的には、福島ロボットテストフィールドでのドローン実証試験飛行を例に、JIS B9700の示すリスクアセスメントと、代表的な技術的・管理的リスク低減方策を中心としたドローンの労働安全の課題をケーススタディとして検討し、グループワーク形式でのリスクアセスメント(機械類の制限の決定、危険源の同定と危険事象、リスク見積もりとリスク評価)の実施や、リスク低減方策の考案を行いました。
本研修には民間企業の方もいらっしゃいましたが、法務省矯正局の刑務官、東京消防庁の職員、NEDOの研究者、法政大学の先生など、様々な方々が参加されていました。
産学官の方々とグループワークに取り組み、共に作業できたことは大変貴重な機会で、良い刺激を受けられました。
一番おもしろかったのは、拘置所勤務の刑務官の方が、「(こういう研修でもないと)あんまり塀の外に出る機会がないんでね!」と冗談をいってらっしゃったことです。
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