法務事務所の時計のお仕事⌚
- 広報担当
- 7月6日
- 読了時間: 4分
更新日:7月11日
就活生の方にとっては意外かも知れませんが、弊所では時計に関するお仕事をすることがあります。
といっても、柱時計や目覚まし時計ではありません。弊所で対応するのは、腕時計(特にその中でもスマートウォッチ)と、原子時計です。
スマートウォッチの方はお仕事内容が想像しやすいかも知れません。電波法・技適といった法令・許認可が関係しますから。でも、原子時計は聞いたことがない人もいるかもしれませんね。原子時計は個人が使うものではありません。
時計の原理
そもそも、時計は正確に時を刻む装置のことですが、どうやって正確な時を刻めるのでしょうか?時計の正確さは、ざっくり言うと 「一定のリズムで振動するもの」を基準にして、その振動回数を数えることで作られます。機械式時計やクオーツ時計といった時計ごとの違いは、何を「リズムの基準」にしているかです。
昔ながらの機械式時計は、手巻きや自動巻きゼンマイの力で歯車を動かし、テンプという小さな振り子のような部品が一定周期で往復することをリズムの基準としています。
クオーツ時計は、水晶に電圧をかけると、一定のリズム(周波数)で水晶が振動する性質を利用して、リズムをとっています。そのため、電池が必要になります。多くの時計では、1秒を作るために扱いやすい 32,768Hz、つまり1秒間に32,768回振動する水晶が使われます。時計の中の電子回路がこの振動を数えて、32,768回振動したら1秒というように処理しています。
電波時計は、内部はクオーツ時計ですが、定期的に時刻を教える標準電波を受信して時刻を補正しています。日本では、福島県のおおたかどや山標準電波送信所と、佐賀県・福岡県境のはがね山標準電波送信所から標準電波が送信されています。つまり電波時計は、クオーツ時計と同様に水晶で時を刻んで、ときどき標準電波で答え合わせするという時計です。
そして、電波時計などが日本の正確な時刻(日本標準時:JST)を知るために受信している標準電波は、NICT(国立研究開発法人 情報通信研究機構)が送波している電波(長波)なのです。
標準電波で送られる時刻や周波数の情報は、日本の国家標準として非常に高い精度で保たれており、その基準には下の写真の「セシウム原子時計」や「水素メーザ」といった超高精度な時計が使われています。これらの時計の精度は、誤差が10兆分の1レベルという非常に小さなものです。また、人工衛星を使って他の国の標準時と比較・調整しており、国際的なズレもないようにされています。
時計の許認可?
弊所では、原子時計の該非判定(外為法では原子周波数標準器として原子時計が輸出規制の対象になっており、その安定度やルビジウム使用の有無等により、輸出許可の要否が異なります。この要否を判定する作業を、「該非判定」といいます。)など、原子時計に関する許認可対応を支援しています。
なお、電波時計以外に、インターネット上で使われるタイムサーバー、NTPサーバー(Network Time Protocolサーバー)でも、NICTが提供する正確な時刻情報が活用されています。NTPは、パソコンやサーバーなどのシステム時計を正確に保つための仕組みで、NICTの時刻サーバーにアクセスすることで、ネットワーク上の時刻を国の標準に合わせることができます。
こちらのタイムサーバも輸出入に関しても、弊所では該非判定などの対応をしております。
このように、私たちの身の回りの機器やネットワークが正確な時間で動くために、NICTが提供する標準時や標準電波が重要な役割を果たしていますが、その原理や装置の実物を拝見することは少ないため、業務で原子時計の該非判定をするときも、いまいちイメージがつきにくいのも正直なところです。
そのため、弊所では業務知識の獲得のために、NICTで原子時計の実物を見学したり、研究者の方から「ストロンチウム光格子時計」や「イオントラップ光時計」などの最新の時計についての原理や、それらを用いた「秒の再定義」の話など、様々な最新技術についてご説明を頂き、職員研修としています。
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