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某職員

電気の法定特別教育を実施しました

職員向けの所内教育として、電気取扱業務特別教育を実施しました。


本教育は、電気災害を防止し労働者の安全を確保するために、事業者が労働者に実施しないといけないと労働安全衛生法で定められている、安全衛生教育です。

「低圧」と「高圧・特別高圧」の2種類があります(高圧と特別高圧はまとめて行われます)。今回は低圧を実施しました。


低圧電気取扱特別教育の対象となる電圧は、直流で750V以下、交流で600V以下(※)です。これを超えるものは、高圧・特別高圧電気取扱業務特別教育を受けないといけません。

(※ 対地電圧50V以下や、弱電など、感電による危害が生じる恐れがないものは対象外。詳しくは法令を参照)


弊所では、電気用品安全法対応などで、数百~数千V程度の電気を使う業務があるため、低圧・高圧・特別高圧電気取扱業務特別教育を実施しています。

電気工事士や電気主任技術者の職員が講師となり、所内実施することもありますし、外部(日本電気協会、関東電気保安協会、労働安全衛生マネジメント協会)に職員を派遣して、受講してもらうこともあります。


左が外部(安全衛生マネジメント協会)で低圧の特別教育を受けた弊所職員の修了証(学科7時間+実技7時間)で、右が所内で低圧の特別教育を受けた弊所職員の修了証(学科7時間+実技1時間)です。


実技の時間は受講者の作業内容により変わります。1時間の実技の場合は作業内容が制限されます(※)。学科の内容は同じです。


(※ 実技7時間の場合は、充電電路の敷設・修理と、充電部分の露出した開閉器の操作を行えますが、実技1時間の場合は、充電部分の露出した開閉器の操作のみです


弊所代表は、特別教育の所内実施のために、特別教育講師の養成研修等を受講しています



特別教育は、カリキュラム・時間割も法定されています。7時間の学科では、電気、電気設備、安全用具、関連法令、感電事故の事例などについて学び、弊所では事故事例を元に、原因と対策をグループワークで検討しました。


また、実技では、実物の検電器やテスター、絶縁手袋や絶縁シートなどの保護具等を用いて、活線作業や活線近接作業、感電防止の方法を実践的に学習しました。



今回実施した所内教育の様子

(弊所教育本部にて、講師1名、受講者2名で実施)

左:座学(7時間)

中:絶縁手袋の使用前点検(ピンホール等の有無確認)

右:低圧の実技で使用した機材


ここからは、今回の受講者の職員と、講師の職員にそれぞれ話を伺います。


 

質問者:感想はどうですか?

受講者:検電器とか実物を触って体験できるのが良かったです。


質問者:受講者のお二人は、もともと電気は苦手でしたか?

受講者:電気と磁気が関係していることも全然知らなかったです。


質問者:電気は苦手な人にとっては難しくなかったですか?

受講者:理系科目は不安でしたが、先生が私達のレベルをわかった上で、基礎から説明してくれたのでなんとか大丈夫でした。単相と三相の違いとか、なんとなくよくわからないままにしてたところもよくわかりました。あと、インドで盗電を仕事にしてる盗電師(※ 違法)の感電事例とか、電気の素人でも興味深く聞けるような小話がいっぱいで楽しかったです(笑)


質問者:今回の教育で色々と学んで、怖いなと思ったことはありますか?

受講者:感電したときの、個人の体調の差で生死が分かれることがあるのは驚きでした。

講師 :寝不足での作業は色んな意味で危ないですね。感電しやすくなるし、感電したら重症化するかもしれないし。

受講者:あと、意外と身近に感電で死亡する可能性があるのが怖いです。習った死亡事故の事例が意外とその辺でおきそうな話ばかりでしたし、家庭用のAC100Vでも全然死亡事故になるんだなって。


質問者:今回の教育で、仕事以外に普段の生活で役立ちそうな内容はありましたか?

受講者:自分の電化製品やコードの扱い方に危機感がなさすぎたとわかったので、今後は見直そうと思いました。あと、スイッチを押すと電気がつく仕組みのような基礎の基礎から、アース線の役割や、電線で発電所から家庭まで電気を届ける仕組みなど、身の回りにある電気の流れが知れたのも面白かったです。自宅の家具についてるアース線を見つけたときや、道を歩いていて電信柱の上の変圧器を見つけたときは、「これか!」と少しテンションが上がりました。


質問者:所内教育の実技と、外部教育の実技は違いますか?

講師 :実施団体にもよりますけど、実技は結構違います。電気工事がメインの会社と、電気設備保守がメインの会社ではやっぱり、実技の題材も変わりますよね。うちは電気試験がメインなので、外部教育団体での実技とはやはり異なります。


質問者:電気工事系の実技って、実際に工事したりするんですか?

講師 :外部教育で受講者として、電気工事がメインの実技を受けたことがありますが、延長コードを自作したりと、うちではやらない実技が多くて、それはそれで面白かったです。電気工事士資格がないとやっちゃダメですけどね。


今回講師を担当した職員が、外部教育に受講者として参加した際に自作した延長コード


質問者:この特別教育を受けると何ができるようになりますか?

講師 :今回は低圧なので、手持ちのピカチュウに業務として最大750Vまでの技を使わせることができます。10万ボルトを使うには、特別高圧電気取扱業務特別教育が必要です。

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